3月上旬のサファリダイヤリー(その3)
8日、
・クイーンの娘の疾走
[ムシアラエアスト、7:50]
[オルキヨンボエアスト、9:40]
今日が雑誌の撮影班の最終日だった。ビックファイブと呼ばれる動物のうち、撮影班はサイとヒョウを観ていなかった。だからそれが見たいというので保証が持てないまま半日探し回った。
結局、サイもヒョウも見つからなかったけど(そう簡単に見付かったらいつも苦労しない)まだ撮影班が見ていなかったオスライオンに会えた。この場所はオルキヨンボと呼ばれるマサイマラの西部だ。僕らはめったに来ない場所なので、こちらのプライドの構成をよくわかっていなかったけど、運良く歩いているメスライオンを見つけ、後を付けてみると茂みの中にプライドの群れが休んでいたのだ。
メスに囲まれた凛々しいオス。いかにもライオンキングと言ったところ。
見た目、まだこのプライドのリーダーであるオスライオンは若そうだったけど、メスは5頭もいた。5頭のメスライオンはオスライオンを囲むように茂みに集まっており、このオスライオンが本当にハーレムのキングのように思えなかなか格好良かった。
10日、
[デリシャ、7:00]
昨夜、地面を湿らす程度に久しぶりに雨が降った。
そのせいか今朝のサファリドライブでは霧が立込める。水蒸気の中浮かび上がる太陽と、ゾウのシルエットが幻想的で奇麗だった。[デリシャ、7:15]
道路にハイエナが寝ている。見ると子供がお乳を吸っていた。子供と言っても生まれたばかりのように黒くはなく、はっきりブチ模様が出ている大きめの子供だ。甘えん坊なのかも知れない。
ハイエナの親子
僕らの出現に一度は顔を上げたが、また何もなかったかのように母親のおっぱいにしゃぶりついた。ハイエナの乳首は他の肉食獣に比べ、後ろ足の股に近い場所にあるので乳を吸う姿は少し違和感がある。[セレナ、7:25]
先日シマウマの川渡りを見たけど、あれからもぞくぞくと川渡りが行われているらしい、気付けばこの付近には500頭を越えるシマウマの群れが押し寄せてきていた。こんな大群を目にするのは久しぶりである。
マサイマラに定住しているシマウマの群れもこうやって、少しずつ草のある場所へ移動を繰り返すのであろう。
いつの間にかセレナの草原にはシマウマがいっぱいだった
[コムチェゾ、8:00]
今朝の無線から入るライオン情報は、国境付近であまりにも遠く出向くことが出来そうになかった。今回はライオンに出会えないかと思いながら帰り道を進んでいると、道路脇で日光浴する3頭のメスライオンたちに会えた。
しばらく見ていると、草むらで子供の鳴き声が聞こえた。サファリカーを回してみると、確かに草むらの中で動く小さな生き物がいる。そのうちに道路側へ1頭の3ヶ月ほどの子供が顔を出した。
母親のお腹の下に隠れるように歩く子ども
このライオンたちは「木登り好きライオン」も含まれる「シエニのプライド」の群れの仲間だ。そういえば、以前このメス達に会ったときには他にも数頭の子供がいたはずだ。しかし探してもこの子供1頭だけのようだった。他の子供達は死んでしまったのだろう。ドライバーの情報によると、他の子供達はバッファローに殺されてしまったらしい。
3頭のメスライオンに庇護されて、この1頭だけの子供が大人になれる確立はどれくらいあるのだろう。