3月中旬のサファリダイヤリー(その1)
12日、
草原の何処かで野火が始まっているようだ。野火によって燃えた乾燥した草は灰となり、風に乗って舞い上がり空を灰色にさせている。日差しが弱くなるので今日は過ごしやすい気がする。[セレナ、17:03]
動物が密集している。視界には多種の動物が一度に目に入る。「これぞアフリカ」というような景色で楽しくなる。
やはり草食獣は数がいたほうが絵になるようだ。
ゾウの群れの行進と、インパラのハーレム
[セレナ、17:45]
丘の上の草丈が高いところにライオンが隠れていた。近づいてみると若いオスばかりが4頭もいた。彼らの目線をたどると200mほど向こうに3頭のメスが見えた。若オスたちの母親らしい。
若オス4頭が見つめる先には、
メス達は草原を群れで移動しているシマウマを狙っている。これだけ草丈が高ければ身を隠しやすい。ハンティングを仕掛けるのを僕らは待った。
一頭のメスが列をなしているシマウマに突っ込んだ。気付いたシマウマの列は途中で途切れ引き返していった。それでもこのメスは逃げるシマウマを追いかける。やる気満々だが身を隠さないライオンはシマウマに近づけない。
一列になって進むシマウマの群れ
一方、別のメスは別のメスで反対方向のシマウマを狙ってかなり忍び寄りをしていたが、途中で仲間のメスが周囲にいないことに気付く。挟み撃ちができなければライオン1頭だけではハンティングは厳しい。
ライオンたちは腹が減りすぎて焦っているのだろうか、チームワークがバラバラだ。
仲間がバラバラになってしまい、ハンティングにしくじったメスライオン
遠くでは若オスたちはハンティングに協力しようともせず、相変わらずただメスライオン達のしくじりを見つめていた。プライド(群れ)のボスであるオスはハンティングに参加しないことを知っているが、若いオスたちも非協力的なのか。13日、
[ムシアラ、16:30]
ムシアラ湿地帯に定住する馴染のライオン大所帯に会った。
ムシアラ湿原には枯れない水源がありいつでも草原には緑が多いため草食動物が多い。しかしこのところ草食動物はどこか別の場所へ分散しているらしく、ナワバリから離れないここのライオンたちは食料不足を起こしているようだ。
このプライドには10頭以上の子どもがいるが、今日見ると以前よりもずいぶん痩せてしまい力強さがなかった。
痩せて、ちょっと元気のない子どもたち
メス達もそうとうお腹が減っているだろう。ときどき水を飲んでは空腹を紛らわしているようだった。とにかく暑い日中は無駄な体力を使わないよう、ひたすら草の中でじっとしていた。15日、
[セレナ、7:30]
セレナのプライドとボクが呼んでいる、オトナオス1頭と2頭のオトナメスに会う。メスの1頭は発情しているのか、オスはその後ろを一定の距離を保ちながら移動していた。あまり近づきすぎないのはメスが交尾できるほど充分発情していないからだろうか、それとも他のオスに奪われないように見守っているからか。
セレナのプライドのオス
[マジヤチュンビ、8:11]
このあたりに生活する大きめのプライドに会った。
オトナメス5頭に子どもが大小3頭だ。彼らはクロトンの木の木陰でまどろんでいた。オスは道路沿いに寝ていたのだが、あまりにじっとしていたので1度サファリカーで横を通り過ぎたときは気付かないほどだった。
[ボーダー、9:00]
僕らは朝食のためにいつものイチジクの樹の下へ向かうとものすごいハエの多さに驚いた。最初はどこかに獣が死んでいるのだろうか、と考えたが、もう一本のイチジクの樹の下も同じようにハエが群がっているところからようやく気が付いた。頭上には、イチジクの花が一斉に開花していたのだ。どうやらこの樹の花粉の媒介は、ハエが行うらしい。たしかにサバンナではハチやチョウよりハエの方が絶対的に数が多いので彼らの媒介を手伝ってもらうのは賢いやり方ではないだろうか。
イチジクの開花期間がどのくらい長いのか知らないが、しばらくは他の樹の下で朝食を食べたほうが良さそうだ。[GSU、10:23]
水嵩の減っているマラ川の一角に、40頭ものカバがひしめき合って休息している場所を見つけた。
身体を寄せ合っているカバ達はお互いに、重い頭を誰かのお尻に乗せて優雅に寛いでいる。
川の中に転がっている丸太のようなものはカバ
[セレナ、11:00]
早朝見た個体と違うオスメスつがいのライオンを見かけた。このオスと今朝のオスはセレナのナワバリをシェアしている血縁関係と思われる。どちらも争わずにして発情中のメスを手に入れた。そんな感じだった。
[セレナモゴロ、11:38]
めずらしくサファリカーが来ても逃げないオオトカゲに会った。
どこか怪我しているようには見えないが、ゆったりゆったりと乾いた地面の上を見ず目に向かって歩いている。そばにいるトムソンガゼル達が物珍しそうに警戒しながらも遠巻きに見つめていた。