5月中旬のサファリダイヤリー、その2
17日、
樹の下で涼むキリン
[メインロード、16:00]
今日はずいぶんと、平原でキリンの群れを見かけた。
キリンは特定のナワバリを持たず、群れで遊動を繰り返しているようだが、時として30頭以上の大きな団体に集合するときがある。なかなか壮観だ。
これは偶然集まったとは思えなく、何か彼ら独自のコミュニケーションがあって、集会でも開くのだろうか。[セレナ裏、16:46]
セレナのプライドの1頭の若オスがメスを連れてハネムーン中だった。
僕らのサファリカーがやって来ると、その音が切っ掛けになったのか交尾を始めた。あっという間の(いつもそうだけど)交尾が終わると、オスメスともそのまま地面にゴロンと横になった。メスが発情期間中の2週間ほどは何も食べずに交尾を繰り返すそうだが、それは本当らしい。2頭ともかなり痩せていた。
交尾をしたあと力尽きたように横たわったオス・メス
[セレナ、17:25]
シマウマの群れが平和そうに休息している。彼らは2頭ずつのペアになって向き合い、お互い自分の顔を相手の腰に置いて休んでいた。かなり愛くるしい姿だが、考えてみたらメリットがある。お互い自分の死角となる後部を相手に警戒してもらえるのだ。なるほど。
[セレナ、17:30]
マラ川は相変わらず増水中だ。
今にも水が溢れだしそうな、「ヌーの河渡り」のポイント
18日、
何度か紹介したことのある腕利きハンター「ジョン・レンジャー」が、ライフルをショットガンに持ち替えてまた火を噴いた。
今回殺した生き物はヘビだった。ブラックマンバというコブラの仲間で、ボクが見た中で(飼育されているやつも含めて)一番大きいやつだった。
ボクは次の日、撃ち殺した死体を観察した。死んだヘビは薮に引っかけられていた。手で計ると2,5mあった。でも、現場にいた警備さんは「生きてるときは10ftは(3m)あった」と、熱く語った。おおよそ、興奮しているときはサイズが大げさになるものだが(特にケニア人)、たしかに死後硬直で縮んでしまうのかも知れない。
木にぶら下げたブラックマンバの死体
ボクの手とヘビの胴体の太さを比べて、このヘビのサイズが想像できるだろうか?
胴体の真ん中辺りに大きな穴が開いていて、今にも引きちぎれそうだ。聞くと、高い木の上に逃げたブラックマンバのそこに、ジョン・レンジャーの放った弾が当り死んだそう。ブラックマンバは木登りが得意だ。そして長い身体を利用して木から木へ横へ移動することができる。コブラの仲間だから動きがそうとう速い。それをジョン・レンジャーは1発で仕留めたというのだから敬服だ。
こうやって、敷地内に入ってきたヘビはみんな殺されてしまう。手の平に乗るような小さなヘビでさえも見かけたら、スタッフは全身全霊で殺す。誰かが噛まれて死んでしまってからでは遅いので、殺される前に殺す。というのは分からないでもない。でもケニア人には、毒蛇と無毒のヘビの区別はつかないようだ。まあ、そんな事を考える悠長な余裕はないのだろう。子供のころから「ヘビは見たら殺せ」と教わってるのかも知れない。
「ブラックマンバは鳥を食べるのが好きなんだよ。鳥の卵も食べるみたい」
ボクがそう言うと、警備さんは質問してきた。
「ウサギも食べちゃうよな」
「うん、食べるだろうね」
「ヒヒなんかも丸飲みしちゃうよな」
「・・・!、いいや食べないよ。いくら猛毒でもヒヒは飲み込めないね」
警備さんはビックリしていた。こんなに大きければ何でも飲み込めるものだと思っているらしい。ブラックマンバはいくら身体が長くても、サイズ的にヒヒは飲み込めない。
にわかにボクの言ってることが信じられないみたいだけど、最近ボクがケニアのプロフェッショナルガイドの試験を高得点で合格してから、少しは信用度が上がったみたいだ。ケニア人のヘビに対する知識はそんなものなのだ。ボクは少しでもみんながこうやって自然に対する認識を改めてもらえればと思う。
21日、
久しぶりに気持ち良く晴れた日の青空
もう3日間もお客さんがいない日が続く。電気のある時間はパソコンを叩いて時間が潰せるが、お客さんが居ない日は電気を消すのも早い。日中はもっぱら読書したり、涼しい時間を見計らって小鳥の観察をしたりする。
と、いっても3日間もひたすら時間がゆっくり過ぎていくのは退屈してきた。
そういえば、お客さんが居なくなった日から雨が降らなくなって晴天が続いてる。風が強くて雨雲が全て飛んでいってしまうようだ。
こんな気持ちのいい日にサファリに出かけられないのはなんとももどかしい。