6月のサファリダイヤリー、その1
14日、
2週間ぶりに戻ってきたマサイマラは特に環境の変化は見受けられなかった。
草原の草丈がいっそう伸びたようで、ドライバー達は「動物探しが大変だ」と言った。
[8:00、セレナ]
大物狙いで半日サファリへ出かける。
セレナ付近でプライドのオスたちを3頭見た。以前のフィールドレポートを調べかえすと、この若オスたちは最初見たときは4頭いた。若オスと言っても今ではすっかりオトナで、このうちの一頭(額の広いやつ)は前回交尾をしているのを確認している。
不思議なのは、ボクは一度も彼らのハンティングを見ていないことだ。何度かこのオスたちの母親とおぼしきメスライオンたちがハンティングするのを遠くでただ眺めている彼らを見かけたことはある。
ただたんにボクの運が悪いだけかも知れないが、この3頭がどうやって獲物を仕留めるのか是非見てみたいものだ。
草原で寝そべっていた3頭は交互に欠伸を始め、起き上がって伸びをした。そして脱糞をすると、近くの茂みの中に入っていった。皆が同じように一連の動作をするので面白かった。草原の岩場では早朝「アサガオノキ」の花が満開だ。
[9:54、ムワリム]
タンザニアの国境付近にある大きな石の上に、無数のインパラ達が休んでいた。
群れているのはハーレムだけではなく、複数のオスたちも入り交じっていた。いったい草の無いこんなところで何をしているのだろうか。
[10:20、ミリマタトゥ]
国境付近まで来たがお目当てのチーターが見つけられず、代わりにミリマタトゥのプライドのメス3頭が休んでいるところが見られた。
草丈が短くてトムソンガゼルの大勢住んでいた国境付近の草原も、だいぶ草丈が伸びてきた。このまま伸び続けると草食動物はさらにタンザニアのセレンゲティへ移動してしまいそうだ。16日、
[7:40、マウエBFP]
一頭だけのメスライオンを見つけた。おそらくシエニのプライドの一頭だ。車を警戒して移動していく。お腹が一杯だったので夜中に何かを食べたのだろう。
[8:05,モラム上]
ここにシエニのプライドの新しいボス、兄弟オスライオンがいた。
死んだバッファローを茂みの中に隠すようにして、それを食べている。かなりの腐臭がするので仕留めてから2日くらいは経っているようだ。先ほどのメスはこのバッファローを食べていたのだろう。
一頭のオスは肉の塊をくわえて、さらに繁みの奥へ消えていった。19日、
[7:32、ギラレ]
ヘビクイワシが名前の通りヘビを食べていた。
ヘビクイワシは1mほどのヘビを嘴でつかみあげるが、捕まったヘビはまだウネウネ動いており、何度も地面に降ろしては足で蹴りをいれて息の根を止めようとしていた。そのたびにバシバシと地面をたたく音が響く。
ようやくヘビはぐったりとなった。ヘビの頭をくわえるとそのままツルツルと飲み込みヘビクイワシの胃袋へ収まった。[8:40、ミリマンビリ]
チーターに会えた。5月に日本から帰ってきて以来の久しぶりさだった。子供が2頭いる親子だ。
最初遠く離れたところから見たとき、トピやトムソンガゼルの群れがずいぶんと忙しげに動いていたのでどうしたのかと思っていたら、ちょうどチーターが狩りをしたところだったのだ。
残念ながら走っているチーターは見られず、僕らが向かったときにはすでにチーターの足元には仕留めたメスのトムソンガゼルが横たわっていた。よほどお腹を空かしていたようで、すでに2頭の子供達が獲物に食らいついていた。
近くに寄って気付いたけど、ママチーターの左耳には黄色いタグが付けられていた。おそらくWWFがチーターの個体数調査のために付けたもので、しばらくタンザニアへ移動していたときに付けられたのだろう。[9:31、ムワリム]
タンザニアとの国境まで来ると、大きな岩の上にオスライオン2頭がいた。
車で近づけないところだったのでハッキリ分からなかったが、見たことのない個体のようだ。きっとタンザニアからやって来たのだろう。
20日、
相変わらず朝晩は冷えるが、日中の日差しが鋭い日が続く。ここのところ雨が降らない。
伸び放題になった草原の中は、ライオンが探しにくいことこのうえない。
それでもお客さんたちは、マサイマラに来たのだからライオンを見ないことには帰れないという。この一日半、無線を聞いていても誰もライオンを見つけ出せないでいた。
こうなると、今日は他のロッジとも共同で連絡を取りあい、草丈の高い場所をしらみつぶしに徘徊するしかない。
1時間くらい続けただろうか、ようやくシエニのプライドの仲良しメス3頭に会った。この暑さなので当然木陰で休んでいると思っていたら、開けた草原の草むらで荒い息を吐きながら休んでいた。1頭いたはずの子供の姿がない。
見ているだけでそうとう暑そうなのになんで木陰に入らないのだろうか、心配になってしまう。
草丈が高くてはっきりライオンたちの全身が見えなかったが、お客さんはライオン探しがどれだけ大変かわかってくれたようだ。
運が良ければ簡単に見れることもあるけれど、こればかりは保護区は柵のある動物園ではないので予想がつかない。ときにはライオンを見ずしてマサイマラを去らねばならない人もいる。