野生教室、その4
キャンプサイトに戻り午後からブッシュパイロットでありコンサベーショニストであるフランス人のアレックス・ペルティエ氏の講義が開かれた。
左がコンサベーショニストのアレックス
右が通訳の早川千晶さん
彼はウルトラライトプレインという超軽量飛行機を操って、上空から野生動物の個体数調査、分布調査を行っている。
保護活動を始めたきっかけは、上空からアフリカの大地を見続け、環境破壊により自然のバランスが崩れてきていることを知り、それを守ろうと思ったからだそうだ。
彼の言葉で印象的だったのは「破壊されすぎてしまった自然を元通りにするのはもう不可能かも知れない。でも、今からでは遅いということは何もない」
と言ったことだった。
彼の理想主義的な保護活動には頭が下がる。でもボクは彼ほど悲観的ではない。環境は、人々と一緒に共に変化していくものだと思う。夕食は各グループに別れての「自炊カレー作り」
材料とスパイスだけを与えて、オリジナルのカレーを作ってもらい、それをケニア人と先生に審査してもらうのだ。一等賞には記念品が贈呈されるというからみんな張りきる。
生徒達の包丁裁きを見ていては、数名のケニア人シェフが危なくて見ていられないらしく手伝おうとする。ボクはそれをやめさせた。どんな切り方、味になっても、それは生徒たちの自由なのだ。
ボクは何かと頼りない男子グループの料理を何気なくチェックする。彼らはマメなことにタマネギを細かく刻み、茶色くなるまで炒めている。さらに肉には炒める前にニンニクをすり込んでいるではないか。なかなか本格的だ。何よりも上級生と下級生が一緒になって楽しみながら作業する仕草に感動した。
一方、女子の方がワイルドな料理を作る。男子が厳選した食材のみでじっくり料理をしている間、彼女達はありとあらゆる食材をぶつぎりに鍋に入れ、ぐらぐらと豪快にかき回していた。
女子は何でも入れて豪快なカレーを作る
結果から言うと、女子のカレーの方が旨かった。複雑な味がして濃厚だったのだ。男子のカレーは残念なことに最後に水を入れすぎてしまったようで、しゃびしゃびだった。スープ自体はタマネギの香ばしさが利いて美味しかったのだが。。。
野外シャワールームで、去年も来てくれた高2の男子と隣り合わせで身体を洗いながら話をした。
「今年も来れたね。親には何て言ってきたの?」
「はい、成績が上がったらまた行っても良いって言われて、がんばりました。でも日本へ戻ったらずっと図書館通いです…」
彼は本当に見かけは大人しい内気な生徒だが、今回のために自分自身で努力して来てくれたのが嬉しかった。そして理解ある彼のご両親もとっても素晴らしい人達だと思った。21日、
午前中、ナイロビ在住の作家、早川千晶さんによるケニアの部族の話、現代の子供達の話をしてもらった。
そしてお昼のお弁当を持って小学校へ向かう。その途中、ボクのお気に入りの一枚岩へ寄った。
一枚岩でひと休み
一枚岩の上に立ち眼下に広がるザバンナを眺めると、みんなが一斉に感動の声を漏らした。
1分間だけ目をつぶり耳を澄ませてもらう。そして何が聞こえたか問うと、風の音や川の音など、たくさんの音を聞き分けてくれた。ボクはその音は250万年前の最初の人類が聞いていた音となんら変わらないことを伝えた。訪問先のキミンテット小学校へ行くと、沢山の子供達が手拍子して日本人生徒を歓迎してくれた。夏休みなのにわざわざ僕らのために楽しみに待っていてくれたのだ。
前回は「交流の証し」にとノートを持って来たが、予想以上の小学生の数にノートが足りず、子供達の争奪戦になって交流どころではなくなってしまった申し訳ない思い出がある。
だから今回は日本の先生がたくさんボールペンを持って来てくれたけど、生徒達の目の前で先生から先生へまとめて贈呈してもらった。
その後、英語を話せるケニア上級生と訪問した日本の学生が3つのグループに別れ、それぞれ教室でディスカッションを儲けた。
ボクが同行したのは元気の良い女子グループで、ケニア人学生の方がはにかんでいた。みんな頑張ってお互い英語で自己紹介をしたあと、それぞれ質疑応答になった。
黒板に自分のなまえを書いて自己紹介
そこで出た「将来の夢」についての質問だが、ケニア生徒は「教師」や「医者」、「サファリドライバー」などかっこいい明確な夢を語るのだが、逆に日本生徒は将来の夢について自分でどうしたいのか良く分からない様子で、みんな「高校を出たら大学に入ってしたいことを探す」と答えたところが印象的だった。
それからも各クラスでは輪投げをしたりお手玉したり、凧揚げをして盛り上がった。
日本対ケニアサッカー親善試合
今回の日本女子はよくがんばった
最後は日本の先生が贈呈してくれたサッカーボールとユニフォームを着て、日・ケニア代表サッカーを30分間だけした。
昨年はあっという間に小学生に負けてしまった日本側だが、今回はなかなか奮闘。しかし標高1800m以上の場所ではスタミナがもたないらしい。最後には2点入れられまた敗北してしまった。
久しぶりに激しい運動だったが誰も疲労を訴えず、みんなで汗をかいて楽しんだようだ。今回はムパタロッジと地主による協定的な理由により、急遽もう一つ近所の小さなマサイ小学校へ訪問することになった。
ここでは人数は少ないが小さな子供達が歓迎のために伝統ダンスを一生懸命踊ってくれてとても好感が持てた。
お礼に日本の生徒達も練習した歌と踊りを披露し、最後にみんなで折り紙で遊んで過ごした。
歓迎の踊りを踊ってくれる小さなマサイ小学校
お礼にこちらも歌と踊りを披露
今日でキャンプ生活はあっという間に終わり。これからムパタのロッジに2泊することになる。