8月のサファリダイヤリー、その1
1日、
泥浴び中のイボイノシシのメス
[15:05]
オロオロロの丘の下にあるテントロッジの敷地内をウロウロしているイボイノシシは、人が危害を加えないのを知っているので、あまり逃げ出さない。
道路を通過すると、車のに順応したそのイボイノシシが道にできた水溜まりで泥浴びをしていた。
ムシアラのプライドを救うものと養われるもの
[15:50,ムシアラ]2日、
[16:31、アウトオブ]
午前中「木登り好きメスライオン」が捕まえたイボイノシシを、このエリアのプライドのボスである兄弟オスライオンが奪い取ったと聞いた。
午後その場所を訪れると、すっかり満腹になって休息する兄弟オスライオンがそれぞれ思い思いの樹の下で眠っていた。[17:45、ニョロロ]
夕暮れどき、何故か草原を歩くカバを見つけた。カバは夜行性で夕方涼しくなってから水から上がるのだが、この個体はずいぶんと早い出勤(活動)に思える。
夕日を浴びて身体が輝るカバ
僕らは驚いたが、カバも車に驚いたらしい。まるで食いしん坊というのがバレて恥ずかしがるように、急ぎ足で林の中へ隠れていった。
雲の中に太陽が入って面白い空になった
3日、
保護区の維持管理を行っているマラコンサーバンシーの者から話を聞くと、大きなヌーの群れがついにマサイマラ南西部へ入ってきたらしい。タンザニア側の調査によると、移動している動物の数は150万頭(!)にも及ぶという。
これからが楽しみだ。4日、
ムシアラのプライドの子供達が道をとっとこ歩いている。
彼らの進行方向へ先回りしてみると、プライドのオトナ達が集まっていた。獲物を仕留めたらしい。
その獲物をボスである「ソロー」が食べていた。
食べられている獲物はイボイノシシだった。たった1頭のイボイノシシで、22頭のライオンの大所帯が満足できるのだろうか?できるはずないだろう。
ソローは獲物に覆いかぶさるようにしてイボイノシシを食べていた。遠巻きに獲物を仕留めたらしいメスライオン達がじっと見つめている。きっとソローに力ずくで横取りされたのだろう。それがプライドのボスであるオスの一般的な食事方法なのだ。
子供たちに邪魔されないように肉をくわえて移動するソロー
ソローのすぐそばに息子の「パラオ」の存在があった。彼は獲物にありつけるわけではないのだが、何気なさを装って獲物のそばで眠っている様に見えた。
ほどなくして獲物の場所に子供たちが辿り着いた。
ソローは近づく子供たちに気付くと、立ち上がって唸り声をあげながら蹴散らした。まるで「これ以上近づくな!」と言っているように獲物の回りを一周した。
それでも我慢できずに鼻を鳴らしながらジリジリと近づいてくる子供たちをうっとうしくなったのか、ソローはイボイノシシの肉をくわえてガニ股で移動を始めた。
その後を追う子供、肉のあった場所に残ったかけらを食べる子供がいた。
草に染み込んだ血を舐める子供の脇からパラオも顔を覗かすと、子供は怒ってパラオの顔をひっぱたいた。自分より小さい年下にひるむパラオがなんだか情けない。
地面に付いた血を舐めようとパラオがやって来たが、子供に怒られた
どうやらソローは、肉をひとかけらも譲ることなく食べ終えてしまうつもりらしい。
ひもじさを顔に表しながら子供達は母親の顔に付いたわずかな血を舐めて嘆く。そしてメスライオンたちは自分たちのために新たな獲物を求めて移動を始めた。[8:37、ムシアラ人工池]
保護区の境目にある人工池に、ロイタポピュレーションと呼ばれる1千頭ほどのシマウマとヌーの群れがひっきりなしにやって来ては水を飲んでいた。列はとても遠くまで繋がっていた。
次々と人工池にやって来るヌー
後ろまで続くヌーの列
ここは元々、保護区に入ることを禁止されてしまったマサイ族の家畜のために作られた人工池なのだが、野生動物にとっても貴重な場所になっている。ときおり逸れたカバが潜むときもある。日中暑くなってくると家畜がやって来るので、それまでが野生動物の時間になっている。[10:22、マラ川]
無数のカバがマラ川のよどみで休んでいる。
この時間帯、観光客を連れた車がほとんどやって来ないので、カバ達はそうとうリラックスしているように見えた。
仲間のお尻に自分の頭を乗せて休むカバたち