8月のサファリダイヤリー、その4
12日、
昨夜は久しぶりに雨が降った。
[16:00、キマニ]
30頭ほどのゾウの群れが足早に、湿原を移動していた。どうしたのだろうか。
回りに注意するが、これといって何かがこの場所で起こったようには見えない。
しいて言うなら、夕立の前のように陽射しが強かった。
ゾウ達は駆け足といっていいほどの速さで僕らの前を通り過ぎ林の中に消えていった。[18:00、シエニ]
雨が降りそうなので車のルーフを閉めると、兄弟オスライオンの1頭が帰り道に現れた。
鼻を高く持ち上げ遠くの匂いを嗅いでいる。仲間を探しているようだ。
サバンナの雨が降る前特有の、突風が吹き起った。そして目の前が夕日に染まる埃で黄色くなった。オスライオンは目を細めて、それでもまだ佇んでいた。
夕日の中で佇む兄弟オスライオンの一頭
13日、
[7:40]
ヌーの頭骸骨をくわえる子供ライオン
ムシアラのプライドが休んでいる。子供たちはヌーの肉片を遊びながら齧っていた。きっと昨夜ハンティングした獲物だろう。子供10頭、オトナメス4頭が満腹になっているということは、2頭以上の獲物を仕留めたと考えられる。
[8:40、キチャカタトゥ]
ムシアラのプライドのお気に入りの水場へ行くと、先ほど不在だった主の「ソロー」と息子の「パラオ」、それにオトナメスと子供が1頭ずつクロトンの茂みに隠れていた。
茂みの中で新たなヌーを食べるメスライオン
繁みを覗くと、ここでもライオンたちはヌーを食べていた。きっと水を飲みに来たヌーを繁みから仕留めたのだろう。
ライオンたちのお腹は、はち切れそうに満腹だった。[9:15、パラダイス]
タンザニアからやって来ている動物大移動の先発隊が、どんどん北上している。
この分だとケニアに定住している「ロイタポピュレーション」と合流する日はもうすぐそこだろう。
14日、
[7:10]
草原の朝日。
最近夜雨が降るようになったので、スッキリ晴れない日が続く。[7:13、ギラレ前]
4頭の若オスライオンたちが道路の真ん中を歩いていた。
昨夜もたくさん雨が降ったので、泥濘んで水っぽい草の中を歩くのが嫌なのだろう。
4頭のライオンは道を遮るようにしてゆっくりと歩く。後ろには僕らを含め5台のサファリカーが渋滞してしまっているのに、そんなことにはお構い無しのようだ。
道を塞ぐようにして歩く若オスライオンたち
ライオンを後ろから車で追い立てるような真似をするのは嫌なので、僕らは道の脇をゆっくり移動し、オスライオン達の横を通り抜けようとした。すると迫力ある顔で睨まれてしまった。彼らは本当に気が強い。[7:40、km4]
草丈の短い草原で、チーターの母親と2頭の子供達は休息していた。
ぱったりと地面に横倒れになって、頭を肩の上に乗せる。僕らからすると一見きつそうな態勢だが、チーターにとっては楽なのだろう、よく見かける休息ポーズだ。
首を持ち上げたまま眠るチーター親子
[10:30、ムワリム]
西の国境付近に1、2千頭のヌーが入り始めた。僕らの行動圏であるマラ・トライアングルにもようやく大移動がやってきたのだ。
ヌー達は一列になって、枯れた草原より野焼きして新しい草が生え始めている場所へ一斉に向かっている。
緑の多い草原には、黒いヌー達が覆いかぶさるようにして各々草を食んでいた。
列をなして移動するタンザニアからやって来たヌーの群れ
緑の草原を目指す
毎年ボクは秋になると長い休暇を取って日本へ一時帰国してしまっていたが、今年は腰を据えて、しっかり大移動の動向を観察していきたいと思う。