8月のサファリダイヤリー、その6

23日、
ライオンを沢山観てみたい、というお客さんのリクエストで僕らはムシアラ方面へ向かった。

[7:40、ビラシャカ]
この時期はいくつものサファリカーが動物観察をしているので、ライオンを探すのは比較的容易い。ほどなく車が集まっている場所で馴染のムシアラの大家族に会えた。

大所帯の行進



十数頭の大所帯がみどりの草原を移動していた。なかなか壮観だ。
みんながみんな、お腹がはち切れそうにパンパンになっていた。獲物を仕留めて食べたのだろうが、きっと1度に1頭だけではないらしい。そうでなければこんな大所帯が全員満腹になれないだろう。
それからライオン達は休息に適した繁みの中に入っていった。

少し離れた場所にライオンが食べ残したヌーの死体がありハゲワシが群がっている。そしてその後方で、このプライドのボスである「ソロー」が横たわっていた。

日光浴するボスのソローと、お腹一杯のメス



のんびり日光浴しているそばに僕らが近づいても物怖せず、しばらく観ていると起き上がり、背伸びをすると僕らの車の前を悠々と通り過ぎた。そして目の前でおしっこを始めた。人の目線をものともしない、すごい貫録だ。

[8:45、ビラシャカ]
クイーンの娘とその子供達が今朝も観光客を乗せたサファリカーで遊んでいた。
子供達は車のボンネットより後ろの予備タイヤの上が好きなようで、いつも乗っかりたがる。観光客も人間に危害を加えることの無いチーターに慣れてきたようで、すごく顔を近づけて写真を撮っている人もいた。

スペアタイヤの上に乗るのが好きな子供チーターとアップで写真を撮る観光客

24日、
[16:20、セレナ]
実に久しぶりにヒョウ情報が入ったので駆けつけた。そこはセレナロッジにほど近い丘の上の林だった。
まったく誰が最初に見つけたのだろう。車道よりかなり離れたイチジクの木の上にヒョウらしきシルエットが確かに見える。かなりでかい個体だ。

イチジクの木の上で休むオスヒョウ
後ろ足と尻尾がブラブラしている

別の角度から観ている車が、そのイチジクの上にもう一頭ヒョウが乗っているのに気付いた。樹上の茂みに隠れるように少し小さい個体がいるのがわかった。
どうやらこのヒョウはつがいらしい。朝からずっと動かずにこの木の上にいると言っていた。

[17:20、クロスP2]
マラ川へ向かった。川渡りポイントの一つに50頭のヌーと10頭ほどのシマウマが集まっていた。
数台の車が集まっていたので渡るかもしれないと思い、僕らのサファリカーも近づく。するとおもむろに1頭のヌーが川に飛び込んで泳ぎ始めたのが見えた。
あ、始まった!と思ったが、なぜか他のヌー達は誰も後に続かなかった。川岸を良く見るとそこに大きなクロコダイルがじりじりと群れの方へにじり寄っている姿があった。きっとそのせいだろう。
飛び込んで必死に対岸へ辿り着いた1頭だけのヌーは、一息付いて後ろを振り返り、自分のほかに誰も渡っていないことに始めて気付いたらしい。かなり驚いている様子だ。自分が1頭だけでいることにだいぶ不安のようで、何度か川の側を1頭で行ったり来たりしたが、また川を渡って戻るのを諦めて何処かへ歩いていった。
[17:26]
対岸で川を渡りたそうに見つめる群れに、さらに他の群れが集まり全部で100頭ぐらいの群れになった。
いよいよ一斉に川渡りを始めるかも知れないと、注意して群れを観察した。

川岸に集まったヌーの群れ
ここはクロコダイルが多いポイントだ

観ていると、群れの後方のヌー達は前へ行こうと前方のヌーを押す。前方で川を眺めていたヌー達はためらい、群れの後方へ引き返す。という循環をしていた。まるで危険な先頭を誰かに押し付け、自分は首尾よく安全に後続でいこうという魂胆があるようだ。実際には先頭者がクロコダイルに狙われるより、後続者が食われる確率は高いのだけれど。
ヌーの川渡り行動は、やはり良そうがつかない。だから興味がでるのだ。

・8月のサファリダイヤリーその7へ