8月のサファリダイヤリー、その7
26日、
川渡り観察目的で、日中の暑くなる時間にサファリへ出発した。[10:23、ミリマンビリ]
この辺りをナワバリにしているミリマタゥのプライドに会った。メスと子供達は木陰で休んでいる。少し離れたところで主のオスライオンがシマウマの肉を独占し、もともと同じグループで最近独立したと思っていた4頭の兄弟若オスライオンがそれを狙っていた。
若オスライオン達は並んで物欲しげにシマウマの肉を見つめていたが、ボスはやはり譲る気がない。日中の暑さに耐え若オス達に睨みをきかせながら、両前脚で肉をがっちりとキープしている。
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シマウマの肉を独占するボスと横取りしようとする若オス達
ひょっとしたら、若オス4頭が力を合わせてボスに立ち向かったら勝てるかも知れない。でもそれをしない(させない)権力がプライドのボスにはあるのだろう。
さすがにこの暑さに耐えかね、若オスライオンは肉のおこぼれを諦めて自分たちだけで別の獲物を探しに離れて行った。[14:00、GSU前]
対岸のナロック州の草原はマラ川を渡ろうとするヌー達で埋め尽くされている。きっと何処かで川渡りが始まる、とボクは見込んだ。
頻繁に川渡りが行われるマラ川のコーナーポイントにヌー達が集まっていたので、しばらくそこで待った。ヌーを待つ観光客を乗せた車の台数は、なんと20台以上にも及んだ。
対岸のナロック州に群がるヌーの群れ
最近ではヌーに車がストレスを与える理由で、見学車両は川より少し離れた丘の上で待つ協定が出来た。臆病なヌー達はちょっとでも警戒すると川へ近づくのをやめてしまうからだ。そして川渡りが始まったら一斉に岸へ向かう。
しばらくすると、隣の川渡りポイントでヌー達が川渡りを始めた情報が入った。
僕らを含め張り込んでいたサファリカーはその場所へ向かった。
そこにはすでに川を渡り終えたヌー達が千頭ぐらい群れをなしていた。それでもまだヌーは対岸より川渡りを続けているようだ。
川渡りをしているヌーと、車から降りて見学する観光客
車を停める場所まで行くと、先行車の観光客は車から降りて川岸に向かっているので驚いた。このポイントは繁みに覆われているので、車両から川を泳ぐヌー達の姿を見るのは困難だからだろう。
僕らのお客さんから降りていいのか尋ねられる。一瞬躊躇したが、ドライバーもOKというのでドアを開けてみんなで川岸へ向かった。そして繁みの間から、ヌー達が崖を下りて水に飛び込んでいるのが見えた。
数十頭ほど渡り終えると、ふいにヌーの隊列が途切れた。やがて岸までやってきていたヌー達が戻り始めてしまった。
ヌーの列が途切れたのはただ偶然だろうか。それとも、もしかしたら人が車から降りてしまったせいでヌーが警戒してしまったのかも知れない。やはり降りるべきではなかったと反省。
それからも僕らは川渡りのポイントで2時間ほど待ったが、その日はもうこの付近で川渡りを観察できなかった。
夕方から雨が降りそうな天気になった。[17:09、モゴロ]
帰り際、久しぶりにオオミミギツネに会った。巣穴の側でじっとしていた。こんなところに巣穴があるなんて知らなかった。これからはしばしば観察ができるかも知れない。
3匹のオオミミギツネが寝ている
28日、
こちらに威嚇するハイラックスの母親と、興味津々の子供たち
[11:20]
ロッジの敷地内でハイラックスの鳴き声がいつもよりうるさい。石の住み処を覗いてみると、子供達が増えていた。きっとこの子達が親を呼んでいる声なのだろう。
ボクがカメラを持って近づくと、不思議そうな顔をしてこちらをじっと見つめる。腰を低くしてゆっくり移動すれば、あんがいハイラックスは逃げずに観察できるものだ。
しばらく観ていると、親がやってきて石の間から顔を出し、ボクに気付く。さすがにオトナは警戒心が強い、身体を大きく持ち上げ、ボクを直視して威嚇と思われる低い声で唸った。子を持つ親は強い。あんなに可愛い顔をしてるけど、怒るとけっこう迫力があるものだ。
ボクはまたゆっくりとその場から退散した。[16:48、マジヤンデゲ前]
昨夜の雨でマラ川がまた増水した。非難したクロコダイルが水溜まりで休息をしている。
ムシアラ方面へ行くための橋がまた浸水してしまい、通行止めになる。年に数回は浸水してしまう頼りない橋は不安だ。29日、
ロッジに新しいサファリカーが来たので、試運転を兼ねてタンザニア国境付近まで足を運んだ。
連日「川渡り情報」が続いていたので、運が良ければ観れるかも知れないと期待して行くと、僕らが最初の川渡りポイントに着いたときにはすでにヌーが渡りを繰り返す真っ只中だった。
思ったよりも観察している車の台数が少ない。無線の情報によるとこのマラ川周辺の至るポイントで川渡りが始まっているらしく、観光客を載せたサファリカーは分散したのだ。
次々とマラ川に入っていくヌーたち
流されていく
今回観察したヌーの川渡りは、緊迫した空気の中一斉に飛び込む「集団パニック状態」のような激しいものではなかった。
なんだか対岸よりヌー達が2列ずつでボロボロボロボロと泳ぎ出し、それがダラダラと続く川渡りだった。
もちろん双眼鏡で見るヌーの表情は必死だ。ここは川幅はそんなに広くないけど流れが急らしく、まるで「流れるプールで泳ぐ人」のように水の中に入ったヌーはどんどん押し流されてしまう。遠目で見ると川下りをしているようにも見みえた。
対岸にはまだまだ無数のヌー達が草原を埋め尽くしている。彼らが全て川渡りを終えるのには何日かかるだろうか?
もっとゆっくり観ていたかったけど、今回は車の試乗のためのサファリだったので泣く泣くその場を離れた。