9月のサファリダイアリー、その2

6日、
[8:06、ジャンクションセレナ前]
数種類のハゲワシたち「お掃除屋さん」がヌーの死体を片づけていた。
ヌーの大移動がやって来るこの時期、毎日といっていいほどこのシーンを見かけることになる。
ハゲワシは広い範囲を飛び回る生き物なので「動物大移動」と一緒にケニアとタンザニアを移動していると思う。

太ももに傷を負った尻尾の短いメスライオン

[8:15、ジャンクションセレナ前]
ミリマンビリのプライドの中に尻尾の切れてしまったメスライオンがいる。
今朝はそのメスが1頭で歩いている。なんだか歩き方に力が無い。観ると後脚に怪我を負っていた。そして痩せている。
彼女が生き延びるにはプライドの仲間の助けが必要だろう。


◆読めない川渡り習性
[8:40]

8日、
[7:30、セレナ]
ヌーの死体を食べる1頭のハイエナがいた。肉のおこぼれに預かろうとするジャッカルやハゲワシを追い払いながら骨にしゃぶりついている。付近にはまだ沢山のヌーがいるので、このハイエナが自分で狩りをしたのかもしれない。

ヌーの死体とハイエナ、
追い払われるハゲワシとジャッカル

「ホーッ、ホーッ」
と大きな鳴き声をあげると、子供を引き連れた10頭ほどのハイエナが現れた。
そのうちの2頭は肉を食べにやって来たが、他の仲間は僕らの車に警戒したのか何処か別のところ(ねぐらだろう)へ移動していった。

◆チーターの教育実習
[9:35、バグダット]


[10:38、Jギラレ]
数頭のゾウの家族が道路を横断しようとしていた。
いつものように鼻を側溝に当てて地面の軟らかさを確かめる。
そしておもむろにオトナメスが側溝に寝転がり、僕らの観ている前で気持ち良さそうに泥を身体に塗りたくり始めた。
日中の日差しから身を守るために「泥パック」をしたのだろう。

道路の側溝で泥浴びをしようとしている

10日、
[16:40、セレナ]
マラ・トライアングルの中心に位置するセレナロッジ周辺は、大移動してきているシマウマとヌーで一杯だった。

[17:12、モゴロ]
この付近をナワバリにしている兄弟オスライオンの1頭とメスが2頭いた。メスのうち1頭は発情期間に入っているようだ。
しばらく寝ていたが、メスライオンは起き上がり伸びをするとオスライオンにすり寄った。

オスに発情したメスが流し目をつかってアプローチするが・・・


オスも立ち上がったので交尾をするのかと思ったら、オシッコをするわけでもないのにとつぜん後ろ足で地面をひっかき始めた。
どうもオスは交尾をする気が無く、メスのアプローチを避けるためトイレをする仕草をしてメスを追い払った気がする。つまり「とぼけた」のだ。

[15:35、カビリ]
乾燥した湿原に、クロサイのハナ子がぽつんと佇んでいた。
クロサイは身体が大きい割にゾウのように大食漢ではないからだろうか、このように食事も移動もしないでぼーっと「遠い目」をしているハナ子の姿はよく見かける。
このときハナ子は、いったい何を考えているのだろう。

[18:02、メイン]
西のオロオロロの丘の上では、夕立が降っているらしい。
厚い雲が空を覆っていた。
積乱雲の中には水分が多く含まれているせいだろうか、
雲のすき間から見える青色は、空の色より濃かった。

11日、
[7:40、カビリ]
昨日とほとんど同じ場所で、クロサイのハナ子を見かけた。
今朝は活発に、好物であるナス科の植物を食べ歩いていた。

道路を横断するヌーの群れはとぎれない

[7:52、キワンジャトピ]
セレナロッジの滑走路付近には至るところでヌーたちが移動をしている。まるでアリの行列のようだ。
ヌーたちの進行方向にはマラ川がある。今日も川渡りが始まるかもしれない。

[8:33、ミリマンビリ]
4頭の若オスライオンたちが乾燥している草原を歩いていた。お腹はいっぱいのようで、特に狩りに出かけているようには見えなかった。
すっかりオトナの体躯をしているのに、歩きながら若オスたちはときどき戯れあった。それはまだ子供っぽさが残っているように見えた。

戯れあう若オスライオン


何かの本で読んだが、4頭以上のオスが集まって作る群れはお互い血縁関係ではない可能性が高いらしい。
でもこの4頭はどうだろうか。微妙な頭数だ。

[9:00、アクロスP]
2〜300頭のヌーとシマウマの群れが川を渡りたそうにしている。
しばらくじっと見ていたが、別の川渡りのポイントへ移動を始めた。
ヌーたちがきた別のポイントでは無数のハゲワシが溺れて死んだヌーを食べている。ハゲワシは「またご馳走がやって来た」と思ったのか、空へ飛び立って旋回し、仲間達を呼び集めた。
そこにいたヌーたちはそんなハゲワシに恐れをなしたのか、この場所も離れ始た。今度は何処へ行くつもりなんだろう。

[11:11、フィグ大]
ヌーの川渡りは見れなかった僕らだが、帰りがけに運良くゾウの川渡りを一部始終観ることができた。
15頭の巨体は一丸となり、躊躇なくザブザブ水の中へ入ってく。小さな子供たちは流されないように群れの真ん中に集められた。
対岸付近まで辿り着くと、オトナたちは水の中で立ち止まり鼻を使って何度も水を口に運んだ。
川の中にある浮き島に生える柔らかそうな草を引きちぎるものもいる。
川に入ることに神経質なヌーの習性に比べると、ゾウの川渡りはなんと余裕があるのだろう。ヌーにももう少し精神的な余裕があればいいのに、なんて考えるのは余計なお世話か。

優雅なゾウの川渡り


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