10月のサファリダイアリー、その3

10日、
[15:50、アウトオブアフリカ]
10頭ほどのキリン達が皆同じ方向をじっと見つめている。きっとなにかキリンにとって危険な動物がいるに違いない。
僕らはキリンの目線の方角へ進んで行った。そして辺りを注意して見回すが、なにもいない。
どうも僕らの勘違いかと思ってキリンの写真だけを撮りにそばへ近づくと、キリンより30mも離れていない場所にメスライオンが寝ていた。まさかこんなキリンの足元にライオンがいるとは思わなかった。それはこの辺りを周回する「木登り好きのメスライオン」だった。

キリンに見つめられるメスライオン



メスライオンはただ木の下で休んでいるだけのようだが、警戒したキリン達は視線を外そうとしない。ここまで見つめたれたらライオンもストレスを感じずにはいられないのではないだろうか。
それでもメスライオンはキリンの視線を無視して悠々と休息を取り続けていた。

11日、
[8:45、ムシアラスワンプ]
ムシアラの大湿原に何台かのサファリカーが停まっている。
ドライバーの話を聞くと、メスチーターが赤子をくわえて草むらに隠れているという。赤ちゃんの目はまだ開いていないくらい小さいサイズだそうだ。
チーターは出産し、子供が歩けるようになるまで草丈の高い場所を巣として留まる。もしこのような湿原にサファリカーが無理やり乗り込んだら子供を轢き殺してしまうかも知れない。
赤子を守るため身を潜める母親チーターにストレスを与えないため、僕らはその場所を離れた。あと1カ月も知れば元気に走り回る子供に会えるかも知れない。

独りで休息するパラオ
ついに独立したのか?

[9:39、ビラシャカ]
僕らは走り回るが、この辺りをいつもナワバリにしている24頭のプライドに会えない。他のサファリカーたちも探し回っている。あんなに目立つ群れなのに今回は誰も探しきれないでいる。
ようやく僕らのドライバーが、茂みの中に1頭だけライオンを見つけた。この群れの長男「パラオ」だった。
子守好きのパラオがいれば何処かそのへんに子供たちがいるのではないか、と探し回ったが、けっきょくこのパラオしか見つからなかった。他の仲間は何処へ消えてしまったのだろう。
そしてついに扶養家族であったパラオは独立したのだろうか?

14日、

林に向かって移動するハナ子

[8:00、シエニ]
早朝、歩くクロサイのハナ子に出会った。ハナ子は湿原を抜けてブッシュの中に入っていった。
彼女が向かっている先にはミネラルを多く含む「ぬた場」がある。そこへ行って土を食べるのだろう。

[9:55、アウトオブアフリカ]
先日、保護管理局がマラ・トライアングル北部のオロオロロゲート付近に野火を放った。今は荒涼とした黒い大地だけが広がる。野火を入れる前のこの付近は丈の高い枯れた草で覆われていたので、ずいぶんすっきりした印象を受けた。
最近数日にわたって短時間の夕立も降り始めているので、1週間もすれば新しい草でサバンナが眩しく光るだろう。そうすれば動物達もここへ集まってくるに違いない。でも大移動のヌーたちはもうすでにタンザニア付近まで移動してしまったので戻ってくるかわからない。
そういう意味ではここの野焼きは時期的に遅すぎたと思う。

焼け野原でバッファロー達は何しているのだろう



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