10月のサファリダイアリー、その4

16日、
[6:45、マラリアンダ]
マラ川にかかるマラリアンダの橋を渡ろうとすると、数頭のハイエナが橋を渡って来ているのが見えた。
ヌーもハイエナくらい知能が高かったら「川渡り」で命を落とすこともないのに、と思う。

緑の湿原の中を歩くカバ2頭

[7:48、ムシアラスワンプ]
ムシアラ大湿原へ出向いた。
乾燥した日が続き草が煤けてきているが、変わらずここだけは緑の水草で溢れている。
日中なのに夜行性のカバが何頭か草原を歩いていた。僕らの車を見ると、慌てて走り出す。ここから300mほど先のマラ川まで逃げるのかと思っていたが、カバたちは湿原の草丈の高い場所へ入り込み姿が見えなくなった。思ったより湿原の中には深い水場があるらしい。

[10:29、Wゴーチ]
僕らはムシアラの24頭のプライドを探してまわったが見つからなかった。
あんなに頭数の多いライオンの群れならすぐに見つかりそうな気がするが、彼らは草原で隠れるのが得意なのだろうか。
諦めてアカシア林の中にあるレオパード峡谷付近を散策していると、偶然にもこんなところでムシアラのプライドの一部に出会えた。

ムシアラのプライド
何頭かはまだタテガミの生えそろっていないオスだった


数えると13頭いた。そのうちの5頭の若オスたちはいつものまにかうっすらとタテガミが生え始めてきていた。
ムシアラのプライドをこの場所で見るのは初めてだった。自分の記録よりも彼らのなわばりは予想以上に広いらしい。ここは保護区からはずれたマサイ族の所有地だ、マサイ族に見つかったら迫害されないだろうか。
プライドの休息するそばにはヌーとシマウマの群れがいた。移動を繰り返すヌー群を追ってムシアラのプライドもここまで移動してきたのかも知れない。

アカシアは便利なパラソルだ

[10:39、ミリタリー]
日中暑くなり始めると、ヌーの群れは移動と食事をやめて休息を取り始める。
アカシアの林は良い日陰を提供してくれる休息場となるらしい。5〜6頭ずつ小さな群れになって木の下に佇んでいる。

[11:30、オロオロロ上]
ずいぶんとハゲワシが上空を舞っている。そのうち一ヶ所へ着陸を始めた。
きっとなにかあると思い、サファリカーを近づけてもらった。
僕らが近づくとハゲワシの群れは逃げ出した。そこには死んだシマウマの残骸があった。もう大方食べ尽くされたようで縞模様の皮だけが残っているだけだった。食べられたシマウマは子どもだ。きっとハイエナの群れが捕らえて食べ残したのだろう。

18日、

サーバルキャットはもともと尻尾が短い

[6:55、シエニ]
野焼きして真っ黒な草原を通過するとサーバルキャットに会った。
草丈の高い草原に生息するサーバルキャットだが、草原を野焼きされてしまうと隠れる場所がなくて困っているのかも知れない。
僕らの車が近づくと慌てて付近のわずかに残る草の茂みに身を隠した。

[7:20、セレナスワンプ]
オスのダチョウが疾走している。何事かと双眼鏡で追うと、その先にメスがいた。オスダチョウの首と脚はピンク色に染まっている。最近ダチョウの発情期らしい。
メスが両翼を降ろしてアプローチをすると、オスがメスに乗り上げた。お互い首を左右に振りながら、オスは翼を魅惑的に振り動かした。なかなか興味深い求愛ダンスを見せてくれる。

ハナ子の正面

[8:03、]
乾燥した草原でしばらく見ていなかったクロサイのハナ子に会う。
そしてこの場所はハナ子のお気に入りの場所のようで、何度もここで見かけたことがある。
いつものようにお気に入りのナスの葉っぱを上唇で引き寄せてモシャモシャ食べていた。

腰に怪我をしているメスライオン

[8:20、カルバートフィシ]
1頭のメスライオンが焼けた草原を歩いている。観察すると腰にまだ新しい怪我を負っていた。しかし歩き方がしっかりしているので大丈夫そうだ。
股の付け根を見ると血がついている。このメスは生理中のようだ。仲間同士の争いに巻き込まれて怪我を負ったのかも知れない。

歩くメスチーターと見つめるトムソンガゼル

[10:18、4km]
耳にタグを付けたチーターのメスが歩いている。先月2頭の子どもを独立させた母親だ。
早朝、トムソンガゼルを捕らたという。満腹で休息する場所を探しているようだ。
付近には警戒を解かないトムソンガゼルの群れがチーターのあとを追って移動してきていた。

[10:50、セレナ裏]
どこかで赤土を纏ってきた20頭ほどのゾウがいた。
草丈の非常に短い草原で、アカシアの苗を探しながらゆっくり移動していた。
子どももオトナの真似をして苗を鼻と脚を使って引きちぎろうとする。でも根の深いアカシアの苗は、なかなか上手く引き抜けないようだ。

ハナと前脚でアカシアの苗を引き抜こうとする子ゾウ

[11:45、キワンジャトピ]
何処に隠れていたのだろう、と思いたくなるようなシマウマの大軍が、野火を入れた草原へ向かって移動を始めている。
シマウマの数は1万頭以上はいるだろう。ボクはこんないっせいに集まるシマウマを見たことなかったので興奮した。

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