11月のサファリダイアリー、その1
2日、
[7:14、モラム上]
ゆるゆると移動しながらも停滞を続ける大移動群。見渡すかぎりヌーだらけ、だけど写真に収めるのは難しい。サファリカーのルーフから顔を出してファインダーを覗いても全貌をおさえることが出来ない。もっと熱気球のように上空から写真を撮ってみたいものだ。
道路を横断するヌーの行列
[7:36、Jギラレ]
兄弟オスライオンがヌーを食べている。この獲物はオスたちが仕留めたものなのかメスが仕留めたものかは不明。プライドのメスたちは少し離れた場所で休んでいると無線で情報が入った。
1頭のオスはもうすでに満腹のようで木陰で休んでいる。もう1頭はまだがりがりとヌーのわき腹あたりを齧っていた。ヌーはまだ上半身と内臓の一部が食べられずに残っていた。
しばらく肉を齧っていたオスは満足したようで一息入れた。そして辺りを見回すと、ゆっくりメスたちがいると言う場所へ向かって歩き始めた。
オスライオンが獲物から離れると、遠巻きに待ちかまえていたハゲワシたちが一斉に舞い降りて肉を突き始めた。
すると、さっきまで木陰で休息していたもう1頭のオスライオンが血相を変えてやってきて、ハゲワシを追い払い肉を守った。
オスライオンはハゲワシに向かって低くうなり声をあげた。もう自分自身では食べきれなくても、無遠慮なハゲワシに只で取られてしまうのは許せないらしい。
ハゲワシを追い払うオスライオン
そして肉をほっぽり出してさっさと歩き始めた兄弟に向けて、不服そうな顔をする。歩き出した方のオスライオンは振り向き「おい、もう行くぞ」と言う意味の、尻尾をぴんと上に跳ねる行為をした。
肉を守ろうとしたオスもしぶしぶ歩き始める。とっさにハゲワシが肉に群がる。それを見てしまうと、やはり勿体のないと思うのかオスライオンは戻ってきてまた肉を奪い取った。「だるまさんがころんだ」だ。
肉をまた取り返したオスライオンはどうにも余った肉に執着があるらしく、ついに口でくわえてずるずると引きずり始めた。さすがオスだ、パワーがある。踏ん張りながら歩くオスライオンの後を、ハゲワシたちは部下のように連なって歩いた。
残った獲物を引きずる
しかし余った肉はかなりの重さらしく、オスライオンは50mほど歩いたところで息が切れてしまった。このままでは仲良しの兄弟と離れ離れになってしまう。ついにオスライオンは肉を諦めて、2頭一緒にメスたちのいる場所へ歩き出した。
ハゲワシの根気勝ちだ。30羽ほどのハゲワシが肉に食らいつくと、ものの20分ばかりでヌーの肉は骨だけになってしまった。11日、
1週間ほど休暇でマサイマラを空けていた。
戻ってくるとずいぶんと草原が乾燥してしまった印象を受けた。この1週間まとまった雨が降っていないそうだ。[16:20、ミティヤヌグー]
ナイロビからの飛行機を降りてロッジへ向かう途中、ライオンの群れに会った。
その群れの数がずいぶん多いのに驚いた。10頭以上はいるだろう。中にはオトナサイズに達していない子供の姿もある。
そして気づいた。このライオンたちはムシアラのプライドだ。
ムシアラのプライドは対岸のムシアラ大湿原を拠点として生活している。でもどうやら獲物を求めてムシアラの大家族は川を越えてマラ・トライアングルへやって来たのだ。カメラを携帯してなかったのが残念だ。
普段この場所は彼らのナワバリではないはずだ。一体いつまでここにいる気だろう。12日、
無防備にも見えるオスライオンのシエスタ態勢
[15:44、シエニ前]
兄弟オスライオン2頭が木の下で寝ていた。草丈の高い場所なので気づかずに通り過ぎてしまうところだった。
お腹は空いていないようだ。木の幹に足をかけてだらしなく寝ている。[16:30、セレナスワンプ]
久しぶりに3頭の子供と母親の家族チーターに会った。親別れして独立したとばかり思っていたが、まだ一緒にいるようだ。
チーター家族はバラニテスの木の下で寝ている。そして陽が傾くに連れ延びていく日陰を求め身体をゴロゴロさせていた。
子供たちは生後1年半以上になったろうか。子供の頃だけにある首の後のタテガミはわずかに残っているが、息子はすでに母親よりも大きかった。もう自分で狩りが出来るだろう。
木陰で寝そべるチーター親子
この野焼きした湿原は、1週間前よりもトムソンガゼルが草を求めて集まってきている。だからチーターも移動してきたのだろう。しばらくは彼らを観察できそうだ。
[15:55、モゴロ]
ナワバリを持たない「バルバル4」と呼ぶ若オスライオン4頭がいた。
彼らも木の下で休息している。連日の暑い日差しのため、みんな日中はあまり動きたくないのだろう。
こちらも木陰で寝そべる若オスライオン軍
[17:40、モラム下]
クロサイのハナ子がぽつりと草原で佇んでいる。野焼きした草原にはハナ子の好きなナスの葉っぱはないのに何をしているのだろう。
僕らのサファリカーが近づくと、鼻を上げて匂いを嗅ごうとしていた。