11月のサファリダイアリー、その2


13日、

[6:35、オロオロロ]
オロオロロの斜面より50頭ものゾウの群れが草原へ降りてきた。こんな大軍が丘の上で夜を過ごしていたなんて驚きだ。
丘の上に住んでいるマサイ族はたいそう恐い思いをしたんじゃないか。


◆季節外れのらくちん川渡り
 [9:14,セレナP]



[10:00、セレナ]
開けた草原に数頭のゾウたちが寄り集まっていた。何でもついさっき、僕らがヌーの川渡りを見学している間に、メスゾウの1頭が赤ちゃんを出産したと言う。
メスゾウは出産が近づくと数頭のメスを引き連れて森で出産する話を聞いたことがある。こうやって何もない草原で子を生むのは珍しいことではないだろうか。


しばらく見ていると、オトナメス4頭その子供2頭に囲まれて小さな赤ちゃんゾウが顔を出した。まだ身体が濡れていて、少しピンク色をしている。
赤ちゃんはオトナメスの脇に寄り添ってオッパイをまさぐった。ミルクをもらおうとしている。しかし出なかったのか、今度は隣にいるメスゾウのオッパイをまさぐり始めた。一体、どのメスが赤ちゃんの母親なのかボクにはわからない。

オッパイを探す生まれたての赤ちゃん

ゾウたちは赤ちゃんを庇うように小さく寄り添い合い、ゆっくり移動を始めた。赤ちゃんの足取りはおぼつかない。やがて疲れてしまったのか赤ちゃんが地面に横たわると、メスたちはみんなで鼻や足で立ち上がらせようとした。
ゾウの家族愛は、見ていて感心することが多い。


◆若オスライオンのハネムーン修業
[10:15、マジヤプンダ]

[10:30、マジヤンデゲ]
ヌーのお気に入りの湿原は、今日も賑わっている。
先週に比べるとずいぶん水が減ってしまった。そしてアンモニア臭が強い。ヌーたちの糞尿の匂いが充満してるようだ。
この匂いでは、湿原好きなゾウたちでもとうぶん寄りつかないだろう。

水が少なくなりつつある湿原

14日、
昨夜から不規則な雨が降り始めた。非常に部分的な雨のようだが、特に僕らの住むオロオロロ斜面沿いは一時的に激しく降った。
道は泥濘みサファリドライブにはやっかいな道になってしまう。でも乾燥して枯れてしまいそうだった若草にとっては恵みの雨になろう。

[17:06、コムチェゾ]
3頭の子供を引き連れたチーター家族に会う。雨の中寄り添ってじっとしていた。
その内の娘1頭だけは付近をウロウロしてキョロキョロ何かを探している。すると突然走り出した。追いかけた獲物は茂みに隠れていたリードバックだった。狩りは失敗に緒わったが、この娘は他の子供たちより逸早く独立するのではないか、と思う。

雨の中、獲物を探す娘の表情

15日、
[16:13、エアスト]
ムシアラからマラ川を渡ってやって来たライオンの大家族は、まだ本来のナワバリに戻っていなかった。水位が低いのでいつでも戻れると考えているのだろうか。いつのまにかこのエリアをまるで昔からの定住場所であるかのように、完ぺきにのんびりしている。すでにこのエリアで2頭のヌーと1頭のシマウマを仕留めた情報を聞いた。
大所帯は2ヶ所の場所に別れて休息している。2ヶ所とも、木の下だった。
全部でオトナメス8頭、大きな子供12頭だった。そのうち1頭の息子にはうっすらとタテガミが生え始めていた。
まだ姿を確認していないが、このぶんだとプライドのボスである「ソロー」とその息子である「パラオ」もこのエリアにいるのではないだろうか。



すっかりキチュワテンボ付近に居着いてしまったムシアラのプライド

[16:55、コムチェゾ]
雨雲の影響で薄暗い草原を3頭の子供と母親チーターは歩いている。
先頭の母親は獲物を探しているように見えた。この夕暮れどきがハンティングのチャンスなのかも知れない。
子供の1頭は、地面に伏せているノガンを見つけて走り寄ったが逃げられた。先日は無謀にもはるかに身体の大きいトピに向かっていったらしい。そうやって子供たちは、自分の能力を確かめながら狩る獲物を学習するのだろう。

今日も雨の中獲物を探す


30分後、チーター家族はついに今日の獲物を諦めて地面に横たわった。無言でじっとする母親チーターは「辛抱も野生で生きるための必須事項なのよ」と言っている気がする。

[17:23、モラム下]
この付近をナワバリとする兄弟オスライオンのうちの1頭が、メスを連れてハネムーンをしていた。と言っても雨が降っているのでお互い少し離れたところでうずくまっている。
オスライオンのタテガミは雨に濡れて垂れ下がると何だか情けなく見える。
メスライオンは先日ノマドの若オスと交尾をしていた個体ではないだろうか。いまいち個体識別が出来ない。でも場所が近いのでそうだとしたら、つまり発情したメスは若オスに愛想を尽かして相手を替えたことになるだろう。

雨の中うずくまるハネムーン中のオスライオン

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