12月のサファリダイアリー、その1

1日、

丘を降りてくるゾウの群れ

[6:37,オロオロロ下]
この付近で生活するゾウの群れの夜間山登りは、すっかり日課のようになったようだ。思うに、この周辺で生活していたマサイ族が土地を移動していなくなった影響が大きい。
今朝も30頭ほどの群れがオロオロロの丘より降りてきた。

若オスが額と額を付けて力比べをしている


群れにはメスと子供たちだけでなく、若いオスゾウも混ざっていた。オスゾウたちは元気が有り余っているようだ。お互い鼻を絡めあって挨拶したあと、力比べを始めた。頭と頭を付けて押し合いを繰り返す。仲間の力比べを観て他のオスたちも別の場所で力比べを始めた。

ヌーを食べるオスライオン
その後で順番待ちのハゲワシたち

[7:05、アウトオブアフリカ]
このあたりをナワバリとする兄弟オスライオンが1頭、仕留めたヌーを食べていた。
獲物は夜間仕留めたのだろう。もうすっかり満腹になっていた。
少し離れた木の下に、もう1頭の兄弟オスとメスが寝ていた。
しばらく日光浴していたが、1頭のオスが歩き始めると、もう1頭のオスも同じ方向へ付いていった。いつ観てもこの兄弟オスライオンは仲が良い。そのままメスは放ったらかされてしまった。


オスライオンたちの後を付けると、テンポラリーの小川へ到着した。そこでゆうに5分くらいかけてたっぷり水を飲んだ。食事の後は必ず胃に水を流し込むらしい。そしてオスライオンたちは腹部をさらに出っ張らせて、重い足取りで茂みの中へ消えていった。

2日、
ゲストのリクエストも有り、今朝は運に賭けてヒョウ探しへ出かけた。ドライバー情報によると、遠く離れたマサイマラ東部に子育て中の母ヒョウがいるという。子育て中のヒョウなら日中も活動している場合があるのだ。

[7:23,ムシアラゲート]
マラ川を渡り対岸のナロック自治区へ入ると、1頭で歩いているメスライオンに会えた。このエリアは総勢26頭の大プライドのナワバリなので、このメスはそのうちの1頭だろう。
そしてほどなく、今度は歩いているオスライオンに出会った。タテガミが奇麗なオトナオスで、大プライドのボスの息子「パラオ君」だった。久しぶりに観るパラオは、以前より風格が出てきた気がした。

以前より逞しくなった気がするパラオ


さっきのメスもパラオも、目的を持って移動しているようだ。お腹が空いているようには見えないので、仲間のいるところへ向かっているのだろう。

[7:37,コムチェゾ]
僕らのロッジがあるマサイマラ西部のオロオロロ丘周辺に比べ、東部のナロック自治区のエリアは乾燥していた。
同じマサイマラ保護区なのにこちらはあまり雨が降っていないらしい。それでもヌーとシマウマの大移動群は点在し、わずかな草を求めて集まっていた。

シマウマを先頭に行列をなす大移動群

[8:10,ダブルゴーチ]
草丈の短くて乾燥した草原で、小さなゾウの群れに会う。母親2頭と1頭の子供、それに2頭の赤ちゃんを連れていた。
僕らのサファリカーが近づくと赤ちゃんは緊張したのか、興奮気味に母親の周りを走り回った。車のエンジンを止めてじっとしていると、ゾウの群れは何も気にしない様子で横を通りすぎていく。
ゾウたちは草の短い草原で、鼻で掴めるアカシアの新芽を引っこ抜いて食べていた。
赤ちゃんの鼻は根の深いアカシアを引っこ抜く力がまだないようだ。懸命に母親の真似をして鼻で芽を掴んで足で蹴り切ろうとするが、上手くいかない。だから前脚を曲げて、直接新芽に口をあてて食べていた。

直接口を付けて芽を食べる赤ちゃん
お尻が可愛らしい

[8:31,タレクリバー]
目的の場所へ近づくと、ライオンの群れに会った。オトナメスが4頭、それに生後1年くらいの子供が4頭寝ている。
みんなお腹も膨れ、のんびりしている。動く様子もなかった。

[8:35]
ライオンのすぐ側に水の無いタレク川があり、川沿いの木の下に車が集まっていた。もしや、と思い駆けつけると、グリーンハートの木の上に期待していたヒョウが乗っかっていた。
ヒョウは森の中で隠れるのが上手い生き物だが、今日はずいぶんと目立つところにいてくれた。


集まるサファリカーを気にせずに遠くを見つめている。時々器用に細い木の枝の上で身体を半回転させて、全体の景色をくまなく見ていた。
ここから近くのロッジドライバーが言うには、このヒョウには生後半年ほどの子供が2頭いるという。今朝も母ヒョウは子供に獲物を与えようとしたが、そばのライオンたちに横取りされてしまったという。そして母ヒョウは子供を安全に隠すため、自らおとりになって目立つ木の上に登ったらしい。

僕らの場所からは先程のライオンの群れは見えないが、母ヒョウは高い木の上から、さっきからずっとライオンたちの動向に警戒していたのだろう。
耳を澄ますと、ときどき母ヒョウが唸り声をあげているのが聞こえた。この唸り声はライオンに対してだろうか、それとも何処かで隠れているはずの子供たちに向けたのか、または集まるサファリカーに対してなのか。


遠くてデジカメでは豹柄まではっきり写らなかった


ボクはずっと前にライオンとヒョウの取っ組み合いのケンカを観たことがある。ネコ科同士はお互い好き合わないらしい。草原に棲むライオンと森に棲むヒョウの「棲み分けの接点」では、いつ何が起こるか分からない。
この母ヒョウが無事に子供を育て上げてくれるといいが、ボクの住むロッジからはあまりにも遠いので定期的な観察ができないのが残念だ。

[10:20、タレック]
保護区東の外れは、雨があまり降っていないようだ。短い草が枯れ、埃が舞っている。
この付近で生活しているマサイ族の集落には人影がない。どうも家畜に与える草を求めてテンポラリー的な移動をしたらしい。

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