チーターの子供がボンネットに乗った
[4km、10:30]
タンザニアから来た4頭の子供を連れたチーター親子。
お腹も満たされているようで、みんな満足気に日光浴していた。
しばらく観察していると子供達がじゃれあい始めた。元気いっぱいで追いかけっこしてたり、木に登ったりしているうちに、僕らのサファリカーに興味を持ち始めた。
ボクはお客さん達に、車内での動きをユックリにしてもらう。もしかしたら、車の上に載ってくれるかも知れない。
子供達は後部の予備タイヤを齧ったりしていたが、その内に前へ回ってフロントのグリルバー(車を保護する鉄のパイプ)をガリガリ齧り始めた。
そしてついに、子供の一頭が勢い良くボンネットの上にジャンプして乗り上げた。もう一頭も真似して登ってくる。
ボンネットの上をおっかなびっくりの足取りで歩き、フロントガラスのワイパーや無線のアンテナを齧りまくる。とにかく見るもの全てに触れてみて、「一体、車とは何ナノか?」と彼らなりに理解しようとしているふうに思えた。
ときどき助手席に座るボクと目が合うと、「シャウシャウ!」と擦れ声で鳴き、威嚇してきた。おいおい、自分から乗ってきたくせに怒るなよ。と思ってしまうのだが、動物全般に共通して相手の目を正面から眺めるのはケンカを売っている証拠になってしまうのだ。このことを人間はよく忘れ、ペットなんかに恐怖を与えてしまうのを思いだした。だからチーターに見つめられてると感じたら、ボクは相手の事を意識していないように振る舞うよう、目線を反らした。
どのくらいボンネットの上で子供達は遊んでいたのだろう。別のサファリカーがやって来ては僕らの車を見て羨ましがった。
ボクは思い起こす。数カ月前にタンザニアからやって来たこの親子は、当初サファリカーを非常に恐がり、車がやって来るととたんに茂みに隠れていた。それが今ではどうだろう。すっかり車に慣れてしまい、車で遊ぶようになってしまったのだ。これも適応というのだろうか。ひとえに、サファリカーがチーターへストレスを与えないように注意したので、チーターがサファリカーを「安全な物質」と理解してくれたからではないだろうか。
ロッジへ帰ってからも、車のボンネットにくっきりと残る子供達の足跡を確かめては貴重な体験の余韻を楽しんだ。