ゴリラトレッキングその3
1月31日、
昨夜はキッサと近くの町まで降りてバーで飲んだ。6年前のタンザニア学生時代の話に花が咲いてしまったのだ。
と言っても、ボクは飲めないのでソーダを2本飲んだ。その間にキッサは6本のビールを空けた。帰ってきて寝たのが夜中の1時過ぎだった。
それでもボクは早起きして、また8:30前に公園のゴリラトレッキング参加口へ並んだ。もし予約が空いていて可能なら、次は他のゴリラグループを見てみたいと考えていた。そして運良く、希望通りのグループへ参加できることになる。
絶対、二日酔いになっていると思ったキッサはそんな様子を微塵にも見せず、今朝も格好良くブリーフィングをしていた。
今日の参加者は3グループに分かれる。以前までは12人の参加者を2グループに分けてゴリラトレッキングをしていた。理由は一般観察できるゴリラの群れが2つだけだったからだ。しかし現在は昨日出会ったムバレ(M)の群れと、もう一つの「ハビニャンジャ(Habinyanja)」と言う群れがあり、2年前からこの群れがさらに2つの群れに別れたという。それによりゴリラトレッキングの参加者も都合によっては3グループに分かれることが出きるようになったのだ。
今回ボクはハビニャンジャのAグループに参加する。(Bグループも存在する)ボクを含め4人の参加者だった。
[8:45]
まずは公園管理局の車に乗り、ガイド達とともに移動をする。ハビニャンジャAの群れに会うにはゲートから離れた別のポイントからトレッキングを始めるのだ。45分くらい車で走った公園に隣接する地元民の村からの出発だ。
[9:30]
丘を登りながら、地元の村の畑を通過する。今回のガイド、ポールは畑の作物を紹介しながら歩いてくれるので、ちょっとしたカルチャーウォークになった。畑にはマンゴー、パッションフルーツ、パイナップル、アボガド、キャッサバ、イモ、それにウガンダ人の代表的な主食であるバナナの畑が広がっていた。ポールによると、バナナには3種類あり、デザート用のバナナに主食用の料理バナナ、それにお酒にするためのバナナがあるそうだ。こんなに豊かな畑を見ると、地元の人々はなにもわざわざスーパーマーケットまで買い物に行く必要がなさそうで、裕福に思えた。それに商業用にコーヒーや茶も栽培している。ウガンダは土地が豊かなのだろう。ポールが僕らのために摘んでくれたコーヒーの木の花の香りは、思わずうっとりするほど良い匂いだった。
ガイドのポールとコーヒーの花
[10:00]
丘を登りきると畑が終わり、視界が広がる。
ここからだと木が伐採されて開けてしまった土地と、今でも森になっている場所のラインがハッキリと見てとれた。これが公園の境目だと教えてくれた。つまり国立公園のきわギリギリまで人間活動が迫っているのだ。
保護区と私有地の境目
ゴリラと地元住民の間での衝突はないのか聞いてみた。ごく稀にゴリラが畑へ出てバナナの幹を食べることがあるらしい。そのときは迅速に地元から公園管理局へ連絡が入り、レンジャーが駆けつけるという。場合によってはレンジャー達がゴリラを森へ追い返すこともあるそうだ。ガイドのポールも観光局長のキッサも、地元住民にとってゴリラが脅威の存在でないことを強調していた。むしろ観光収入源として、ゴリラのおかげで村が豊かになるという。それは本当だろう。僕ら観光客が支払う公園料やゴリラ観察許可書代などの収益の20%は地元住民の教育や医療機関のために還元されるという。また、観光客の宿泊施設やトレッキングのポーターとして地元の雇用を生み、現金収入源を増やすことにも繋がるだろう。
さらにこの場所は、ゴリラとチンパンジーの共存するエリアなのだという。実際にゴリラとチンパンジーがはち合うとどうなるのか尋ねると、お互い意識し合いながらも、どちらかがその場所を移動するという。争いはまったくないそうだ。どうやら、このブウィンディでは非常に上手くヒトを含めた3種の高等なサルが共存をしているらしい。それは素晴らしいことだと思う。ここで生活する人々がそれを誇りに思ってくれたら、尚嬉しいことだ。
急配向の丘を歩く
[10:30]
開けた丘の急斜面を下り、公園の森へ向かう。人のためとは思えない細い道で、もし雨でも降ったなら直ちに長いすべり台になりそうだった。足を滑らせた者は、きっと一番下まで滑り降りられるに違いない。
[10:40]
公園と私有地の境目に辿り着いた。ここは沢になっている。そしてゴリラの群れが移動した踏み跡がトラッカー達によって見つけられる。ハビニャンジャの群れが近いようだ。ちなみに群れは昨日、公園の外にいたそうだ。
小さな沢を歩くレンジャー
ここから薮漕ぎが始まる。
[10:51]
公園の森の中に人工的な木造物があった。これは以前、伐採した木をここで切って板に変える木工所のような場所だったらしい。