1・ マングローブのサーベイ
2月13日、
汽水域に分布するマングローブ林は、水質浄化と侵食保護の役割を果たしている。また多様な生物の生活環境であり、特に稚魚の産卵孵化場として大切な地域だ。
ワタムタートルウオッチ(以下、WTW)では、マングローブ保護と地域住民の理解を高めるため、マングローブの植林を行っている。
ワタム国立公園管理局の船に乗り込む
WTWのスタッフと、地元の支援メンバーと記念写真
今回ボクはその植林するサイトを探すためのサーベイに同行させていただく。WTWのスタッフ及び地域の協力者達とケニア野生生物局の協力で、ボートを借りてミダ干潟を散策した。
ボートの上から眺める干潟は、白い砂浜と水際までせり出した緑のマングローブとの色のコントラクトが美しかった。
タコの足のような根がしっかりと地面にしがみつき、絡み合い、マングローブ林が独特の景観を形成する。一言でマングローブといっても、ここでは7種類の異なる樹木が分布するという。それぞれ汽水の近くだったり陸の方だったりと、種の特性にあった場所に適応しているのだ。
軟体動物の足ような根を生やして潮間帯に生きるマングローブ
マングローブの仲間:ヒルギダマシ(Avicennia marina)
生きていく上で余分な塩分を葉の裏から排出することができる。
葉の裏を舐めると、本当にしょっぱかった。
コヒルギ(Ceriops tagal)の種子
ホウガンヒルギ(Xylocarpus granatum)の種
固い表面の殻を破ると、8つの種が出てくる。
何度もボートを岸に着けて、降りて歩きながら植林のサイトの候補地を探した。もちろん、その場所はどのマングローブの仲間が分布しているのかを記録する。種子があれば植林用にいくつか採集した。
歩いていて何度か、伐採されたマングローブを発見した。話を聞くと地元の人々はマングローブ林を伐採して、建築材や薪として利用するという。しかしこれを保護区で行うと当然のことながら違法になる。それをわかっているので密猟者達は日中歩いてマングローブ林を伐採し、夜間カヌーで忍び込んで木を回収するらしい。海岸地方にはまっすぐ伸びる樹木が少ないらしく、真っすぐ伸びるマングローブの木材は建築材料として適し、しかも丈夫で虫にも強いので高価で取引されると聞いた。
右:マングローブの林の中に隠された、密猟された木々
下:漁師達が釣りエサを探すために穴を掘り、それによって木々が倒される。
また別の場所では、地面が掘り返されマングローブの木が倒れている。これは漁師達が魚釣りをするための餌となる、ゴカイやイソメなどの虫を捕るために掘った穴だった。スコップで根を切断されてしまったマングローブは、倒れてしまい一帯は寒々とした風景となっていた。
厳しい取り締まりがなければ、いつかは貴重なマングローブ林がなくなってしまうかも知れない。マングローブ林のある一角には、均一の背丈の小さなマングローブが繁栄していた。ここは昨年、地元の子供たちによって植林されたサイトだった。広さ的にはまだまだ小さいが、少しずつ教育によって環境の大切さを理解してもらえればワタムのマングローブ林はこれからも繁栄していけるだろう。
地元の子供たちによって奇麗に植林されたマングローブの苗
今回のサーベイで集めた種子。