2・ ウミガメのリリース
漁師の網にかかったウミガメを助けることはWTWにとって大切な仕事だ。
猪飼さんは漁村から携帯電話に連絡を受けると、スタッフとともに現場へ駆けつける。ボクが同行したさいに見た、掴まったウミガメは小さなアオウミガメだった。
ある小さな漁師の村
甲羅の長さが30cmほどのこのアオウミガメは、5歳くらいだという。陸に上げられて網で包まれていたために、だいぶ弱っているように思えた。
漁師達が興味深げに取り囲む中、猪飼さんたちはすばやく体長を計り、特徴を記録していく。そして個体識別用のタグを付けた。
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アオウミガメの体長を計る。
最後にWTWのスタッフが、ウミガメを捕まえて連絡してくれた漁師へお金を払った。日本円で千円くらい。ボクはてっきり漁師達は好意でウミガメ保護に協力していると思ったが、それは違っていた。実際、ウミガメは捕らえられると食べられてしまうのだった。特にアオウミガメは美味しいらしく、肉として売りに出すと高価で買い取られるという。だからWTWは保護のために、捕らえられたウミガメを買い取る。漁師の中には千円程度では安いと不平を漏らす者もいると聞いた。それでも少しずつWTWの活動は認められ、理解協力してくれる漁師達から連絡を受けることが増えてきているという。
そしてビーチへ持っていく。ビーチには観光客がくつろいでいる。そこへウミガメを持っていくと、みんな集まってきた。海へ放す前に観光客へウミガメの話をする。地元住民だけではなく旅行者にもウミガメ保護についての理解してもらうことも活動の一貫なのだ。
ビーチで観光客にウミガメを見せる。
海へ放す役目を旅行者にゆだねる。ウミガメの持ち方の説明を受け海へ歩きだすと、塩の匂いに気づいたのか、おとなしかったウミガメが四肢を懸命にパタパタと振り回しだし、「泳ぎたい!」と意思表示を始める。ウミガメのヒレが掴んでいる旅行者の腕にあたって痛そうで、ついに手を放すと、ものすごい勢いで水の中を泳いで逃げた。ウミガメの陰があっというまに波間に消えていった。
「もう掴まんなよ・・・」なんて、しみじみとした思いに浸っているのもつかの間、また猪飼さんの携帯が鳴りだした。別の場所でまたウミガメが掴まったのだ。
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次に助けられたタイマイ。後ろ足にタグを付ける。
今度は小さなタイマイだった。タイマイは奇麗な甲羅により撹乱され、数が少なくなってしまったウミガメだ。
同じ手順で記録を取り、漁師にお金を払ってウミガメを引き取り、ビーチで放してあげた。多いときは一日に8回もウミガメをリリースすることもあるという。大変な活動だが、そのぶんやり甲斐のある素晴らしい仕事だと思う。
オサガメを喜んで放す観光客の人々。